2009 Fiscal Year Annual Research Report
100GHz帯音響レーザー共振器の創成と超高感度バイオセンサへの応用
Project/Area Number |
21650127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻 博次 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (90252626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 雅彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80112027)
中村 暢伴 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (50452404)
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Keywords | 薄膜 / フォノン共鳴 / フェムト秒レーザー / バイオセンサ / 高感度化 / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
本研究では共振周波数が百GHzを超える超高周波共振振動子を創成し,ピコ秒レーザー超音波共鳴法により振動子の共振周波数の非接触測定を行い,超高感度バイオセンシングシステムの基盤技術を確立することを目指している.平成21年度においては,膜厚が約100nmのセラミックス薄膜(Si_3N_4)の共振周波数を水中で計測することのできる光学系およびフローシステムを確立した.共振周波数は約50GHzではあるが,これまでの振動子センサの周波数(~数MHz)に比べると飛躍的な周波数の向上である. 薄膜振動子を設置するセルをテフロンにより自作し,ガラス窓を介してレーザー光を薄膜の裏側より入射した.薄膜が共振している様子を別のレーザー光を照射することにより測定し,共振周波数および音響応答をリアルタイムで計測するシステムを確立した.薄膜のレーザーを照射していない面は溶液と接しており,この面上におけるたんぱく質の反応を音響応答により検出することができるようになる.振動子表面にレセプタとして黄色ブドウ球菌プロテインAを固定化した.これには,自己組織化単分子膜をまず固定する手法と,直接非特異による固定化の手法を用いた.両者ともにレセプタたんぱく質は抗原として用いたヒト免疫グロブリンGを補足することに成功した.ただし,周波数安定性が悪く,今後,溶液をフローした状態で周波数応答を安定して高速に検出する工夫が必要となることが分かった.
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