2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンCによる脳卒中後複合性局所疼痛症候群の新しい発症予防法の開発
Project/Area Number |
21650133
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩田 学 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80232685)
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Keywords | リハビリテーション / 脳卒中 / CRPS / ビタミンC |
Research Abstract |
22年度は、被験者をビタミンC投与群とビタミンC非投与群に割り付け、ビタミンC投与群でCRPSの発症率が低下するかどうかの比較臨床試験に着手した。まず脳卒中片麻痺を初回発症して脳卒中専門病院に3週間以内に入院した患者の中で、研究参加の同意が得られた患者を被験者として動員した。脳卒中発症後4週の時点で、研究補助者である脳卒中専門病院の理学療法士2名が、被験者の麻痺側と非麻痺側の皮膚温の測定によるスクリーニングテストを実施し、CRPS発症ハイリスク患者をピックアップした。ピックアップされた被験者リストをもとに、脳卒中専門病院の薬剤師が、被験者を介入群(ビタミンC投与群)と対照群(プラセボ投与群)に、無作為に割り付けた。なおCRPSを診断する医師には群分けの情報をブラインドとした。介入群へ脳卒中発症後4週から、1日1回ビタミンC(アスコルビン酸粉末)500mgの経口投与を開始し、脳卒中発症後16週まで継続した。対照群はプラセボ(乳糖粉末)を、同期間服用させた。脳卒中発症後4週以降16週までの間に、脳卒中専門病院の医師が、通常診療においてCRPSの診断を行った。CRPS発症が診断された被験者は、ビタミンCまたはプラセボの投与を中止し、CRPSの一般的な治療方法であるステロイド剤の内服投与を行った。この比較臨床試験は、22年度と23年度を継続して行う計画になっている。22年度は被験者として22名の患者が動員され、そのうち3名にCRPSの発症が認められた。なおデータ解析は、研究代表者が2年間のデータをもとに、23年度に介入群と対照群のCRPS発症率を比較検討する。
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