2011 Fiscal Year Annual Research Report
筋骨格モデルを用いた順動力学的評価に基づく新たなリハビリテーションシステムの開発
Project/Area Number |
21650136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坪山 直生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90261221)
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Keywords | 筋骨格モデル / 順動力学 / リハビリテーションシステム |
Research Abstract |
本研究課題では、下肢関節に障害を有する患者を対象として、患者個別の筋骨格モデルを作成し、歩行障害の特性やその代償メカニズムの解析を行った。 変形性股関節症に対して人工股関節全置換術を施行された患者24名について、自然歩行における下肢関節角度および関節モーメントを逆動力学により算出し、これらの変数が患者群の平均値に最も近い患者1名について、モーションキャプチャーで得られたデータを基に筋骨格モデルを作成し、歩行の下肢筋張力を推定した。その結果、健常者に比べて患者では、股屈曲モーメントは86%の状態であったが、それらを構成すると考えられる筋張力は大腿直筋で60%であったのに対して、腸腰筋では32%まで低下していた。この調査より、従来のモーションキャプチャーによる運動学的・運動力学的変数で推定されるよりははるかに大きく発揮張力が低下している筋が存在することが明らかとなり、患者の動作特性の本質を解明するためには本方法は有用であることが示唆された。 また、大腿軟部腫瘍切除後患者を対象とした解析においては、腫瘍切除後患者(内転筋群、ハムストリングス、縫工筋、内側広筋を切除)に対して、歩行動作の測定を行い、そのデータを基に筋骨格モデルを作成した。モデルでは、切除された筋やそれによる患側での下肢筋力低下の情報、ならびに歩行時の床反力、筋電図データを取り込み、患者固有のモデルを作成した。歩行時の筋張力を推定した結果、健側と比較して患側では、大殿筋、腸腰筋、足底屈筋群の筋張力が代償的に増大していることが示され、患側下肢における歩行時の代償メカニズムが明らかとなった。これらの研究成果は、実際の患者における臨床評価システムとして、患者固有の筋骨格モデルによる筋張力推定が有用である可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)