2010 Fiscal Year Annual Research Report
周波数デジタル信号変換型随意運動介助型電気刺激方法の開発研究
Project/Area Number |
21650139
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
三和 真人 千葉県立保健医療大学, 健康科学部・リハビリテーション学科理学療法学専攻, 教授 (50336450)
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Keywords | 運動機能 / 電気刺激 / 随意運動 / 歩行 |
Research Abstract |
電気刺激による運動麻痺筋の収縮特性をデジタル変換し、生理学的な筋収縮メカニズムに適合した刺激周波数や刺激パターンを構成する随意運動介助型の電気刺激方法を開発することを目的として、以下の実験プロットコールを実施した。 実験方法は、最大随意筋張力の20%筋張力を基準として電気刺激で20%筋張力に同等の張力をつくるものである。手続きは、(1)足部に張力測定器を固定し、前脛骨筋の最大張力平均値(2回計測)を求め、(2)電気刺激でパルス幅5ms矩形波、刺激周波数30~50Hzの10Hzごとに3段階でそれぞれ30分間、計120回の刺激を加えた。ただし、研究目的の1つに筋疲労が少ない刺激方法の開発を含んでいることから、各段階の刺激は隔日に実施した。また、電気刺激時間は1秒、休止期は15秒とし、刺激後5秒後に20%筋張力の随意収縮を5秒間行うものとした。(3)計測機器は、表面筋電図と皮膚温度計を用いた。(4)測定パラメーターは、筋活動面積(RMS)とFFTによる周波数特性のピーク値、平均値を算出した。上記の実験プロットコールに基づいて健常成人9名(平均24.6歳)に実施した。また電気刺激のない対照実験を7名(平均26.1歳)に実施した。 電気刺激による皮膚温の上昇は筋腹中央で30~50Hz、電気刺激幅1msで1.3℃、2.5℃、1.5℃とそれぞれ有意に増加した(p<0.05)。ただし、筋疲労指数のRMSとFFTによる周波数スペクトラム低下率は80~100%と筋疲労が発生しなかった。この結果から、刺激電極間に熱発生が起こって電気強度が高まるため、容易に筋組織に電流がながれて筋張力を発生しやすくなり、筋疲労を発生する新しい知見であると考えられた。今後、筋線維が刺激に反応する周波数200~500μsec、または1msのパルス振で最適な筋収縮特性を検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(7 results)