2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本古来の芸能の技法を西洋自然科学によって究明する
Project/Area Number |
21650155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深代 千之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50181235)
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Keywords | 舞踊 / 動作解析 / 関節トルク / 3D保存 |
Research Abstract |
日本古来の伝統芸能:狂言において、片膝をついた低姿勢からの立ち上がりは、すり足歩行の「はこび」と同様に、重要な動作として位置づけられている,本年度は、この立ち上がり動作について、3次元解析を行い、そのバイオメカニカルな特徴を明らかにした。対象者は、狂言の山本東次郎家で典型的な狂言動作が可能な3名である。動作は、右膝が床面に接地した状態から開始して、素早く立ち上がり、その後右足を左足と揃う位置まで引き付ける、というものであった。動作は、それぞれ5試行ずつ行った。その際、動作を7台の赤外線カメラを用いたモーションキャブチャとフォースプレートシステムによって解析した。 その結果、下肢3関節:股・膝・足関節の中で、膝関節トルクが他の股・足関節に対して大きく発揮されていた。この大きく貢献する膝関節トルクには左右差があり、右膝関節が大きくトルク発揮されていた、すなわち、狂言における右膝を床面につけた低姿勢からの立ち上がり動作においては、後ろ脚である右脚の、大きな膝関節トルク発揮によってなされているということが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)