2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの動機づけ行動とバゾプレッシンV1a受容体遺伝子多型
Project/Area Number |
21650168
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
能勢 博 Shinshu University, 医学系研究科, 教授 (40128715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増木 静江 信州大学, 医学系研究科, 助教 (70422699)
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Keywords | 動機づけ行動 / 運動時昇圧反応 / 圧反射ゲイン / 大脳皮質活動 / V1a受容体 / 遺伝子多型 / 運動トレーニング / ヒト |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々がマウスであきらかにしつつある1)生理的欲求の上昇に伴う大脳皮質活動の上昇が、血圧反射を抑制し、動機づけ行動を開始させるのに必要なのではないか、2)この一連の反応にはvasopressin V1a受容体が関与するのではないか、という2つの実験仮説がヒトでも通じるか否かを検証することである。 21年度は、マウス同様のパラメータをヒトで測定するための、実験環境づくり、脳波、血圧反射ゲイン測定のためのセットアップを行った。脳波は現有の生体アンプを用いて測定し、血圧は連続測定装置を用いて測定した。血圧反射ゲイン(ΔRRI/ΔSAP)は、自発性動脈圧動揺(ΔSAP)に対する心電図にR-R間隔応答(ΔRRI)の相互相関関数から求めた。 この測定系の本研究に応用できるかどうかを検証する目的で、覚醒時と睡眠時の血圧反射ゲインをヒトで測定した結果、睡眠時には覚醒時に比べ、血圧反射ゲインが24%増加することが明らかとなった。すなわち、これらの結果は、覚醒時の大脳皮質活動の上昇は心臓血管中枢に働き、圧反射ゲインを抑制し、中枢性に血圧上昇に働くことを示唆する。 また、並行して、V1a vasopressin受容体多型(rs1042615)のTT型を保有する男性被験者はCC型に比べ運動トレーニングの継続率が低下することを発見した。さらに、マウスにおいてV1a受容体遺伝子欠損マウスでは、大脳皮質活動に伴う圧反射ゲインの抑制反応が阻害され、運動開始時の昇圧反応が起こらないことを認めた。 以上の結果は、上記の実験仮説を支持する。今後、ヒトで自発運動時の脳波、血圧反射ゲイン、運動開始時の昇圧反応を連続測定し、遺伝子多型間で比較する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
能勢博
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Journal Title
「運動・体力の生理学」,標準生理学 (第7版)((編) 小澤静司ほか、)(医学書院)
Pages: 888-899
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