2010 Fiscal Year Annual Research Report
入眠覚醒を自己管理するテーラーメイド快眠プログラムへの挑戦
Project/Area Number |
21650175
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
市村 孝雄 山口県立大学, 学長特別補佐 (80144468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 敦征 山口県立大学, 情報化推進室, 准教授 (30382386)
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Keywords | 睡眠 / 覚醒 / 体温 / 睡眠環境 / 光照射 |
Research Abstract |
体温を個人特性に合わせて制御することで眠りと目覚めを人為的にコントロールできないか?その可能性を探る目的で、21年度には、遠・近赤外線加温した睡眠環境(寝台・寝具)の入眠時間短縮作用を調べた。22年度には、入眠潜時を短縮すると認めた温度条件で睡眠時体温がどのような経過を経て目覚めに至るかを調べた。また、青色光照射で覚醒を誘導する可能性を調べた。 ピッツバーグ睡眠テストで睡眠障害がないと判定した健常在宅高齢者(男女)について、入床時刻、寝具温度、寝室温湿度、寝室照度を適正な一定範囲に保った安静睡眠状態で、終夜睡眠時体温の連続記録(腋下皮膚温直接測定)を行い、次の所見を得た(途中覚醒は除く)。 (1) 入床30分以内に体温はほぼ安定し、就寝中はおよそ0.6℃を超えない範囲で上下変動する。 (2) 自然覚醒前90分~30分に体温は短周期で不規則に上下変動する。 (3) 自然覚醒前30分以内に体温はやや大きく下降した後に上昇する定型パターンをとる。 (4) 自然覚醒する前にある強度以上の青色光(6000°K)で照射すると体温が変動し覚醒する。 これは、寝具温など睡眠環境を制御することで就寝時体温を安定に維持できること、自然覚醒直前に体温低下が起こること、青色光照射が覚醒を誘導する可能性があることを示唆する。 21年度に得た所見と綜合すると、末梢赤外線加温と睡眠環境管理によって短時間入眠を促し、末梢温度モニターと適度光照明によって体温降下と自然覚醒を誘導するプログラムを構築する可能性が示唆されたと考えられる。覚醒直前の体温低下と既知のACTH覚醒前急上昇との連関など基礎的な生理的機序は未解明だが、個人特性に合わせた睡眠環境操作による睡眠覚醒制御は可能だと考える。
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Research Products
(1 results)