2010 Fiscal Year Annual Research Report
動脈スティフネスの運動効果と遺伝的リスク重複の関連:健康生活プログラムの確立
Project/Area Number |
21650179
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 清司 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30282346)
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Keywords | 動脈スティフネス / 遺伝子多型 / 運動効果 |
Research Abstract |
加齢に伴い大動脈などの中心動脈の硬化度(動脈スティフネス)は増大する。動脈スティフネスの増大は心血管疾患の独立したリスクファクターとなる。一方、習慣的な有酸素性運動は、動脈スティフネスを低下させる効果を持ち、心血管疾患の予防や改善に寄与することが明らかにされている。しかし、動脈スティフネスに対する運動の効果には明らかな個人差が認められ(運動効果が大きい者と少ない者が存在する)、この背景には先天的な遺伝的要因(すなわち遺伝子多型)が関与していることが考えられている。また、この遺伝的要因は動脈スティフネスの運動効果に対して、不利な(運動効果が得られにくい)遺伝子型であっても、その影響は単独では比較的小さいことが我々のこれまでの研究で明らかとなっている。そこで、本研究では、動脈スティフネスの運動効果に対する遺伝子型の単独の影響だけでなく、異なる遺伝子の遺伝子型が重複した際の影響を検討することを目的とする。本年度は、昨年度に引き続き、動脈スティフネス(脈波伝播速度法にて評価)、血圧、日常の身体活動量、血液サンプルのデータ収集を行った。収集した血液サンプルからDNAの抽出を行った。また、文献的なメタ解析を行い、動脈スティフネスの運動効果に関連する候補遺伝子を検索した。さらに、候補遺伝子の多型を既存のデータベース(NCBIやJSNPsなど)や文献を活用して候補遺伝子多型を抽出し、これらの候補遺伝子多型の解析を進めた。
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