2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21650200
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 重信 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10162629)
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Keywords | 時間栄養学 / 肝臓 / 脂肪 / 肥満 / 代謝関連遺伝子 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
「夜食は太る」、「まとめ食いは太る」といったことが聞かれるが、このことは食事のタイミングが体重増加に与える可能性を述べたことになる。栄養物の消化・代謝に関わる酵素の多くも体内時計の支配下にあるので、食物・栄養の働きに体内時計が深く関わっている可能性は十分に考えられる。すなわち、本研究課題は「時間栄養学」を提案し、それを学問的に裏付け、臨床応用に持って行くことである。先にも述べたように「時闇栄養学」は食物の作用が摂取する時刻によって影響される点と、食物・栄養物が体内時計に影響する点の2つの視点があるので、それぞれについて述べる。まず、同じ量の餌を自由摂食時の70,80,90%を一日、1回あるいは2回に分けて与えて、体重増加、脂肪の割合、脂肪代謝を調べる。次に、朝夕や朝昼夕の餌の割合の比を変えてみる。まず、本実験を正常食で行い、体重増加を指標にすると、一日、1回でも2回でも大差はなかった。また、70%では体重の増加が弱くこれの差が認められなかった。そこで、次に90%にしたところ、一日2食の場合、少し余す群も認められた。一方、80%群では体重増加も良く、餌を余すこともなかった。そこで、以下のような6群を用意し、15%の牛脂を混餌した餌でマウスを飼育した。(1)朝食のみ、(2)夕食のみ、(3)朝食3:夕食1の割合、(4)朝食1:夕食3の割合、(5)自由摂食。体重増加は、(5)、(2)、(1)、(4)、(3)であり、体脂肪率、空腹時血糖もこの順番に大きかった。また、肝臓の代謝関連遺伝子Ppar alphaの発現を調べたところ、この順番に低く、β酸化が不活発であり、そのことが肥満を助長している可能性が示唆された。このように一日1食より、2食、それも朝食にウエイトを置いた食餌が肥満防止に有用であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)