2010 Fiscal Year Annual Research Report
心理学的技法を用いた肥満治療プログラムからの脱落予防のための総合的研究
Project/Area Number |
21650201
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
佐藤 豪 同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
畑 敏道 同志社大学, 心理学部, 准教授 (50399044)
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Keywords | 肥満治療 / 心理学的技法 / ネガティブ感情 / セルフ・コントロール / 動物モデル |
Research Abstract |
本研究では、肥満治療プログラムからの脱落を予防するための方策について、基礎と臨床の両面から総合的に検討をおこなっている。 1) 肥満患者が治療プログラムから脱落しやすい要因について、ネガティブ感情の蓄積という点からの検討を佐藤が行い、摂食障害傾向を持つ大学生のボディ・イメージの歪みについての検討を行った。また肥満外来の患者を中心にネガティブ感情を蓄積しやすいとされる自我状態の特徴を交流分析におけるエゴグラムという質問紙を用いて測定し、それと肥満患者の体重減少との関係を検討している。2)動物を対象とした摂食行動については、畑研究員を中心に実験室で摂食行動のモデルの確立をめざした実験を行った。またその事象にともなう神経伝達物質の反応性についての解析を行っている。嗜好性の強い食物をオペラント条件付けによってラットに摂取させた後にその条件付けを消去しても、ストレスがかかると食物摂取への条件付け反応が回復することについての実験研究を行った。3)実験室においてヒトの食物摂取に対して社会的促進(つられ食い)要因や、テレビ視聴などの要因がどのように影響を及ぼすかについての研究を青山研究員を中心として行っている。本年度の研究では特に食物に対するクレービングの問題について研究を行いある特定の食物に対する渇望がどのような条件設定によって生起するのかを検証し、食物摂取量のコントロールを行う手がかりを得る研究を行った。以上の研究は今後の展開で食物摂取に対する総合的なモデルとして統合してゆく計画である。
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