2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学とプリント基板配線を応用した屋内経路探索とその表示手法
Project/Area Number |
21650238
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
戸川 望 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30298161)
|
Keywords | 屋内空間 / 歩行者ナビゲーション / 経路探索 / 認知科学 / 配線手法 |
Research Abstract |
本研究では,駅構内,複合商業施設など複雑な屋内空間を持つ環境を対象に,プリント基板配線の技術を応用することで屋内空間に適したデータ構造を実現可能とし,かつ認知科学を応用することで人間にとって迷いにくく,分かりやすい経路探索・経路表示を可能とした屋内空間向け経路探索・経路表示手法を確立することを目的としている. 2009年度には,屋内空間を対象とした経路探索手法ならびに経路表示手法を構築するにあたり,まず基本となるデータ構造の検討から始めた.ラバーバンドスケッチに基づくプリント基板配線をベースに,基本データ構造として可視グラフを考え,計算量,トポロジ変換,歩行経路の探索という3点から検討した.可視グラフとは地図上の任意の可視点どうしを接続したグラフであり,空間内のオブジェクトの頂点数の二乗に比例する数のエッジが必要となるが実用上,ほぼ問題ない範囲でこれをデータ構造として使用できることを見出した.実際にJR常磐線の柏駅構内ならびに池袋駅とこれに接続する複合商業施設を例にとり実証実験を行い,データ構造の有効性を確認した.さらに見取り図や階層図など何らかの屋内空間のデータが得られたとき,これを提案するデータ構造で再構築するアルゴリズムを構築し計算機上に実現した. 今後,これらの研究成果をベースに,データ構造の改善ならびに認知科学の観点から,駅,空港,複合商業施設などにおいて複数の被験者により,分かりやすい経路,迷いにくい経路,目的地到達の手がかりとなる目印の調査を継続していく
|