2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651019
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松本 英樹 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (40142377)
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Keywords | 放射線防護剤 / 狭心症治療薬 / X線 / 中性子線 / 造血系細胞 / 免疫系細胞 |
Research Abstract |
(1)狭心症治療薬のX線障害防護能:X線6.5Gy照射時のjcl/ICRマウスの生存率は約30~40%であるが、昨年度放射線防護効果の認められた薬剤を体内での希釈後30μMとなるように、照射直後、照射から1日後、2日後および7日後の計4回投与した場合、生存率を約80%にまで回復させることを確認した。 (2)X線を照射後14日目に末梢血を採取し、血球成分を調べた結果、照射のみを施したマウスに比して、(1)において生存率を回復させた薬剤を投与したマウスでは、造血系細胞数および免疫系細胞数が優位に高値を示し、放射線障害を受けた造血系および免疫系の回復促進が放射線防護能の一因であることが示唆された。 (3)狭心症治療薬の混合放射線(中性子線およびY線)障害防護能:中性子線1.5GyおよびY線4.5Gy照射時のjcl/ICRマウスの生存率は0~8%であったが、X線障害の防護効果の認められた薬剤を体内での希釈後30μMとなるように、照射直後、照射から1日後、2日後および7日後の計4回投与した場合、生存率を40~50%にまで回復させることを確認した。 (4)狭心症治療薬によるx線誘発アポトーシスの抑制:X線6.5Gyをjcl/ICRマウスに照射し、36時間後に小腸および精巣を摘出し、TUNEL染色法によりアポトーシス細胞の分布を解析した結果、小腸幹細胞および精子幹細胞に特異的にアポトーシスが誘導されていることが示唆された。またX線障害の防護効果の認められた薬剤を体内での希釈後30μMとなるように、照射直後、照射から1日後、2日後および7日後の計4回投与した場合、これらのアポトーシス誘導が抑制されることが認められた。
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Research Products
(10 results)