2009 Fiscal Year Annual Research Report
損傷乗り越え複製後のDNA損傷の修復と娘細胞への分配
Project/Area Number |
21651020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
益谷 央豪 Osaka University, 生命機能研究科, 准教授 (40241252)
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Keywords | 損傷乗り越えDNA複製 / DNA修復 / 染色体分配 / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究では、損傷乗り越え複製(TLS)機構により、損傷を受けたDNAが複製された後に、ゲノム上に残されたDNA損傷を修復する機構、及び、ゲノム上に残されたDNA損傷が娘細胞に分配される機構の有無を明らかにし、そして、それらの生物学的な意義の解明を目指している。初年度は、ヒト細胞において、TLS後のDNA損傷の修復機構の有無を明らかにするための実験系の構築を進めた。TLS依存的にDNA複製を完了して細胞周期のS期を通過した細胞集団を得るための比較対象として、ヒト細胞を過剰チミジンでGl/S機に同調しつつ、同時にsiRNA処理を施してTLSを抑制できる実験条件を設定することに成功した。また、TLSの抑制とS期進行の関係を明確に証明するために、DNAポリメラーゼ・イータ(POLH)を欠損しているXP-V群患者由来細胞と同細胞にPOLHを安定発現させた細胞株を作出した。また、TLSの制御に関わると考えられるPCNAの翻訳後修飾を抑制する細胞系を応用した。そして、それぞれの細胞株について、過剰チミジン及びノコダゾールを用いてGl/S期及びM期に細胞周期を同調する条件を決定した。細胞毒性を最小限に抑制した細胞同調実験条件を設定できたことにより、TLS依存的にS期を通過した細胞集団を得ることが可能となったので、損傷を検出するために実験系のスケールアップを進めている。また、紫外線照射により生じるシクロブタン型ピリミジン2量体と(6-4)光産物の2種類のDNA損傷を区別して解析するために、(6-4)光産物の修復能を持つXP-E群細胞についても、細胞毒性を緩和した同調条件の検討を行った。
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Research Products
(12 results)