2009 Fiscal Year Annual Research Report
低塩素化水酸化体PCBsの分析法開発と脳移行に関する予備的研究
Project/Area Number |
21651024
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田辺 信介 Ehime University, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (60116952)
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Keywords | 環境汚染 / PCBs / 水酸化PCBs代謝物 / 分析法 / 野生生物 |
Research Abstract |
平成21年度は、世界的に報告例が少ない4塩素以下の低塩素化OH-PCBs異性体を含む、3~8塩素化OH-PCBsの分析法を開発した。とくに低塩素化OH-PCBs(3-4塩素化体)は水溶性が増すため、抽出・分配効率や分画・クリーンアップ条件を検討し、分析法の確立を目指した。まず、血液に残留する低塩素化OH-PCBsの分析が、5-8塩素化体に関する既存の方法の適用で測定可能か否か検証した。血液などの生体試料からOH-PCBsを抽出すると、抽出液には脂肪やタンパク質など多量のマトリックス成分が含まれる。OH-PCBsの分析には、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)の使用が必須であるが、そのためには誘導体化(メチル化)処理が必要である。しかしながら、低塩素化体は酸に不安定なため、誘導体化処理前に酸処理によるクリーンアップ処理が適用できない。そこで、数種の不活性吸着剤の使用を検討し、高い誘導体化効率が維持可能な条件を選定した。とくにシリカゲルクロマトグラフィーにおける、シリカゲルの含水率や種類、溶出溶媒を検討し、詳細な分画チェックを試みた。その結果、抽出後のOH-PCBs画分に対して、5%含水のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wako S-1)を適用することで、高いクリーンアップ効果を得ることができた。溶出溶媒は、50%ジクロロメタン/ヘキサンを用いることで、3-8塩素までのOH-PCBsを効率よく分画することに成功した。 本新規分析法の開発により、野生生物の血中に残留する3~8塩素化体OH-PCBsの一斉分析が可能になった。
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Research Products
(6 results)