2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸谷 剛 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00301937)
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Keywords | マイクロナノデバイス / ラジエータ / 地球温暖化ガス排出削減 / 表面微細周期構造 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本研究は、温室効果ガスの排出量を削減する効果とともに、地表から宇宙へ直接放熱する量を増やす効果で地球温暖化を防止することを目指している。具体的には、高温時には太陽光の当たらない北向きの表面微細周期構造を用いて冷却し、低温時には太陽光の当たる南向きの表面微細周期構造を用いて加熱し、電力使用量を少ない冷暖房機器の開発を目指している。 本年度は、UVナノインプリント法で紫外線硬化樹脂上に作成した表面微細周期構造の表面に、ヘリコンスパッタ法で金をスパッタした試料を作成した。作成した表面微細周期構造は、直径10μm、深さ2.5μmの円孔が、ピッチ11μmで周期的に並んでいる。スパッタした金の厚みは、100nmである。この試料の赤外線放射率を半球透過率と半球反射率を測定することで取得した。半球透過率と半球反射率の測定は、九州工業大学の岩田稔助教の協力のもと、積分球を持つFT-IR分光計で行った。 その結果、11μm付近で、表面微細周期構造を持たない試料よりも10%赤外線放射率が増加することが分かった。この結果は、金をスパッタした表面微細周期構造は、大気の窓(8~12μm)を利用して、温室効果ガスに吸収されずに、地表から宇宙へ直接、放熱する量を10%増加できることを示している。つまり、電力を用いず、地表から宇宙へ直接、放熱する量を10%増加できるため、地球温暖化を防止する観点から非常に重要な結果である。
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