2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ・アコースティクスを利用した木造建築物の長寿命化
Project/Area Number |
21651036
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
富来 礼次 Oita University, 工学部, 准教授 (20420648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 教授 (30152193)
岡本 則子 大分大学, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 博士研究員 (00452912)
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Keywords | 音響・振動 / 地下シロアリ / 環境負荷低減 / 木造建築物 |
Research Abstract |
研究実施計画に記載した以下5項目についてそれぞれ以下のような成果が得られた。 1 実験環境の検討 先行研究者のニューサウスウェールズ大学・Lai教授,研究連携者および京都大学生存圏研究所の協力を仰ぎ,イエシロアリの摂食活性が高く、かつ振動・音響信号の付加が可能な実験環境を構築した。その結果これまでの本研究室の実験環境に比べ生存率を10%,摂食量を50%程度向上させることに成功した。 2. 摂食活性と木材サイズとの関係の検討 断面10mm×10mm,長さ40mmと160mmの2種のスギ材の間にイエシロアリを配置し,どちらのスギ材を多く摂食するか実験を行った結果,特定の実験条件で160mmを2倍以上摂食することを示した。しかし,繰り返し回数等が十分でないため,次年度以降の課題とする。 3. 摂食活動で発生する振動・音響信号の収集 断面10mm×10mm,長さ40mmと160mmの2種のスギ材中におけるイエシロアリの摂食活動で生じる振動・音響信号の収集に成功した。 4. 摂食活動で発生する振動・音響信号の分析 3. で得られた信号に,FFTを施した結果,材が同じであっても、信号毎に周波数特性にばらつきが見られた。平均化方法も含め、信号処理手法について次年度以降の課題とする。 5. 振動・音響信号を付加した木材と摂食活性との関係の検討 3. の長さ160mmの材で得られた信号を実験に利用した。2洞様2つの材の間にイエシロアリを配置し,片側の材に信号を付与した結果,信号の付与による摂食活性の変化は見られなかった。、これらの結果について11.に記載するシンポジウムで発表し議論した。また,ニューサウスウェールズ大学およびオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)を訪問し,乾材シロアリに対する最新の研究施設を見学するとともに,地下シロアリの研究についても議論した。これらは,次年度の研究計画に反映させた。
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