2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ・アコースティクスを利用した木造建築物の長寿命化
Project/Area Number |
21651036
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
富来 礼次 大分大学, 工学部, 准教授 (20420648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 教授 (30152193)
岡本 則子 大分大学, 工学部, 博士研究員 (00452912)
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Keywords | 音響・振動 / 地下シロアリ / 環境負荷低減 / 木造建築物 |
Research Abstract |
最終年度として,研究実施計画に記載した4項目についてそれぞれ以下のような成果が得られた。 1.摂食活動で発生する振動・音響信号の収集 昨年度の結果をふまえ,断面10mm×10mm,長さ40mm~320mmの4種のスギ材中におけるイエシロアリの摂食活動で生じる振動・音響信号の収集に昨年度同様成功した。 2.摂食活動で発生する振動・音響信号の分析 1.で得られた信号に,短時間FFTを施し,周波数特性の時間変化を観察した。その結果,長さ80,160,320mmの3つの材では,複数のピーク周波数が見られた。また,この周波数を乾材シロアリに対する先行研究結果と比較したところ,イエシロアリの結果は乾材シロアリの結果に比べ,材のサイズによる変化の割合が小さかった。 3.木材に付加する振動・音響信号の種類と摂食活性との関係の検討 同一材から切り出した2つの木材を、切断面を向かい合わせて30mm離し、プラスチックと水分補給用の石膏で作成されたケースで固定する。そのケースの中にイエシロアリを投入し、片方の木材に振動・音響信号を付加する。振動・音響信号として2.で採取された信号とピンクノイズを使用した結果、ピンクノイズを使用した場合に、2つの材の摂食量に有意差が生じた。 4.木材に付加する振動・音響信号のエネルギ量と摂食活性との関係の検討 3.の実験条件で、さらに振動・音響信号のエネルギ量を変化させた。その結果,エネルギ量により摂食量が変化した。ただし,3.で示した2種の信号に限定した結果であり,今後の研究が必要である。 これらの結果について1Lに記載する国際学会およびシンポジウムで発表し議論した。
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