2011 Fiscal Year Annual Research Report
世界において二度と水俣病を起こさないための水銀汚染の原位置生物浄化技術の開発
Project/Area Number |
21651038
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 啓介 東北学院大学, 工学部, 准教授 (20324014)
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Keywords | 環境技術 / 水銀汚染 / 遺伝子水平伝播 / トランスポゾン / 原位置分子育種 / 接合伝達 / 水銀耐性細菌 / 抗生物質耐性最近 |
Research Abstract |
微生物の水銀耐性はmerオペロンと呼ばれる一連の水銀耐性遺伝子群によって付与されている。merオペロンはトランスポゾンなど、水平伝播能のある転移因子にコードされていることが多いが、merオペロンがこれら因子の細胞間転移により他の微生物に伝播され、それに伴って水銀耐性細菌の分布が広められていると考えられる。本研究では、遺伝子水平伝播による微生物間の水銀除去能の拡散をフィルターおよびサンドウィッチメーティング実験によって直接検証した。その結果、フィルターおよびサンドウィッチメーティング実験とも水銀及びTc耐性を示したコロニーが得られ、そのコロニー出現頻度はそれぞれ2.2×10^<-6>と6.7×10^<-10>であった。しかし供与細菌細胞であったこれらのコロニーをHg及びTc入りの液体LB培地において植え継いでも増殖は見られなかった。したがって水銀耐性形質の水平伝播を確認することはできなかった。一方、B.subtilis RM125株間でpLS20catの伝達実験を行ったところ、Cm及びTc耐性を示すコロニーが得られ、その接合伝達頻度は8.0×10^<-4>であった。また転移したpLS20catは受容菌株において遺伝形質を発現することが確認できた。 次に、水銀耐性細菌Bacillus megaterium MB1株(以下MB1株と呼ぶ)を用いた水銀除去のための固定化微生物技術の開発を目的として、ゲランガムゲルを固定化担体として固定化したMB1株の水銀溶液からの水銀還元除去能を評価した。その結果、ゲランガム固定化MB1株は、最大24時間以内に90%の水銀を溶液から還元・除去できることが知られた。今後の課題として、固定化菌体ビーズをさらに長時間における持久性試験を行う必要があると考えられる。また、ゲルビーズから気化放出される水銀の回収方法を検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(6 results)