2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物機能を利用した廃水からの金属回収とそれを用いた金属ナノ粒子の合成
Project/Area Number |
21651040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
惣田 訓 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (30322176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池 道彦 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40222856)
清 和成 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80324177)
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Keywords | 微生物 / 金属ナノ粒子 / 排水処理 / 資源回収 / セレン化カドミウム / テルル化カドミウム |
Research Abstract |
微生物機能を用いて廃水中のセレンやテルルを回収し、さらに半導体ナノ粒子CdSe,CdTeの合成方法を開発することを研究目的としている。本研究グループは、好気性・嫌気性セレン還元菌、テルル還元菌を保有している。これらの中から、本年度は好気性セレン還元菌Pseudomonas stutzeri NT-I株を亜セレン酸と塩化カドミウムを含む培地で培養し、CdSeの合成実験を試みた。しかし、0.1mMほどのCdの存在によってNT-I株の増殖が阻害されてしまい、CdSeの合成には至らなかった。そこで、新規の有用微生物を獲得することを目指し、土壌中の混合微生物群を亜セレン酸およびカドミウムをそれぞれ1mM含有する培地に植種したところ、15回(140日)以上の継代培養において、液相のセレンとカドミウムの濃度が50-70%ほど同時に減少し、培養液がCdSe粒子と類似した特有の赤茶色に呈色した。培養液の固形分を回収し、細胞を破砕した後、タンパク質を変質させ、フィルターを通過する微粒子を回収した。エネルギー分散型蛍光X線分析によると、微粒子にはセレンとカドミウムが含有されていることが確認された。培養液から微生物を純粋分離したところ、セレンとカドミウムを含む平板培地上で、やはりCdSeと類似した赤茶色のコロニーが形成された。今後、微粒子中でのセレンとカドミウムの存在形態、細胞中の微粒子の分布状況を明らかとすることで、微生物がCdSeナノ粒子を合成することを検証する。
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