2010 Fiscal Year Annual Research Report
色素蛋白質3量体極小カラーRGB感受性超分子ユニットの創製
Project/Area Number |
21651047
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
冨岡 寛顕 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50212072)
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Keywords | ナノ材料 / 超分子 / 3量体 / ナノバイオ / 蛋白質 / バクテリオロドプシン / RGB / 色覚色素 |
Research Abstract |
ヒトの色覚では、あらゆる色が赤(R)緑(G)青(B)の三原色の混色により得られるという。近年の研究でRGB各光に対する光受容蛋白質(色覚色素蛋白質)が網膜中の錐体に存在し、それら光受容体は約350個のアミノ酸と補欠分子団であるレチナール(ビタミンAのアルデヒド)から成るレチナール蛋白質であることが解明された。しかしこれらは光を受容するとレチナールと蛋白質部分に分解するため、素子化等の応用には適さない。一方、高度好塩性の古細菌は、ヒトの色覚色素蛋白質に極めて類似したレチナール蛋白質を持ち、それらは光分解せず、安定性に優れている。その中の一つのバクテリオロドプシン(bR)は細胞膜中で3量体を形成している。bRは赤色光受容体と同じ吸収極大波長(λmax)を持っている。蛋白質部分をアミノ酸置換により改変するか、レチナール部分を類似体に置換するかの方法により、緑と青色の光を吸収するものを作成できれば、3原色の各光を吸収するものが揃うことになる。それら3種から成る3量体超分子が作れれば、ひとつの3量体がひとつのRGB画素のようになる。そのような極小3原色RGBユニット作成が本研究の目的である。bRをヒドロキシルアミン処理することによりレチナールを外し、そこへレチナールを添加することでbRを再構成できる。その再構成の条件検討を行うなかで、光の照射条件により蛋白部分が影響を受けることが分かり、より再構成率の高い条件を見いだした。
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