2009 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの光反応を用いたカイラリティー分離
Project/Area Number |
21651053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 康郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50264081)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 光熱変換反応 / 密度勾配遠心分離 / カイラリティ分離 |
Research Abstract |
SWNTを熱応答性の分子で可溶化し、レーザー照射前後で密度がどのように変化するかを密度勾配遠心分離によって明らかにすることを試みた。各種可溶化剤を利用して密度変化(バンド位置変化)ができるだけ大きくなるように最適化した。 所属研究室所有のOPOレーザー(Spectra Physics製)を利用した。本レーザーは800-2300nmの範囲で任意のパルス光が得られ、かつ全波長領域で10mJ/pulse以上の出力を有している。可溶化SWNTのS1バンド(900-1400nm)の励起し、SWNTを選択的に「加熱」することを試みた。DNAで可溶化したSWNTとコール酸で可溶化したSWNTを用意し、それぞれの可溶化剤がどのような濃度で入れ替わるかを検討した。SWNT表面に吸着したDNAをコール酸で置換するには約3mMのコール酸が必要であることがわかった。コール酸をDNAで置き換える場合は約10μMのオリゴDNAが必要であることがわかった。レーザー光によるSWNTの選択的な光反応も実現できることがわかった。さらに密度勾配遠心分離を行い、可溶化剤によってSWNTの溶液中の密度が大きく異なることもわかった。
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