2010 Fiscal Year Annual Research Report
超常磁性酸化物ナノパーティクルを用いた反応の磁場制御
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21651055
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 准助教 (50294963)
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Keywords | ナノパーティクル / 反応 / 磁場 |
Research Abstract |
21年度の結果を基に、表面にカルボキシル基を持つSPIONを合成し、そこにアミノブテニルニトロフェノールを導入することにより、Carrier SPION(1)を合成した。1は水にコロイド状に分散し、室温中数ヶ月間安定に分散状態を保った。このコロイド溶液にPd(PPh3)4を加えると、ブテニルエーテル部が切断され、ニトロフェノールが水溶液中に遊離し、これを透析により分離した後、可視紫外吸収スペクトルにより定量することが可能なことがわかった。このことから、この系は反応の磁場制御の評価に適していると考えられる。 さらに、簡便かつ高感度に反応の定量を行えるよう、機能分子部位として、強い蛍光を持つフルオレセインのカルボキシル基の代わりに、二つのスルホン酸基を持つ蛍光団にアミノブテニル基を導入した化合物を合成し、これをSPIONに導入しCarrier SPION(2)を合成した。これを用いて同様にPd(PPh3)4による反応を行い、蛍光団の放出反応の追跡を行った。この結果、透析等の特別な後処理の必要なく、SPION溶液を1000倍に希釈した条件で、蛍光を用いて反応の追跡が可能となる事がわかった。この系を用いることで反応の磁場制御を簡便かつ高感度に評価することができる。
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