2009 Fiscal Year Annual Research Report
パターン化脂質二分子膜を使用したタンパク質の濃縮と2次元結晶化
Project/Area Number |
21651060
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森垣 憲一 Kobe University, 自然科学系先端総合研究環遺伝子実験センター, 准教授 (10358179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 一則 産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (40356837)
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Keywords | 生体膜 / 脂質膜ドメイン / 相分離 |
Research Abstract |
研究代表者は、生体膜の新しいモデル系として、光重合したポリマー脂質二分子膜と流動性脂質二分子膜をハイブリッド化するパターン化モデル生体膜作製手法を世界に先駆けて開発し、光重合条件を制御することでポリマー脂質二分子膜と流動性脂質二分子膜がナノメートルオーダーで混合したコンポジット膜を作製することに成功した。そして、パターン化脂質二分子膜において流動性脂質膜中の脂質成分が秩序液晶相と無秩序液晶相に分離・濃縮されるという新規な現象を発見した。本研究は、この現象を利用することで、膜に結合したタンパク質を基板表面のパターン化区画に濃縮することを目的とする。平成21年度は、(1)パターン化脂質二分子膜内における脂質成分の相分離メカニズム解析、(2)膜に結合した水溶性タンパク質の濃縮、の検討を行った。その結果、パターン化脂質二分子膜において秩序液晶相と無秩序液晶相の相分離が起きるのは、脂質分子が膜内を2次元拡散しながら、秩序液晶相がポリマー脂質膜のない区画に特異的に成長するためあることが示された。また、糖脂質(GM1)を含む脂質二分子膜に水溶性のタンパク質であるコレラ毒素(subunit B : CTB)を結合した実験では、パターン化膜中でCTBがポリマー脂質膜のない区画に濃縮される様子を全反射蛍光顕微鏡で観察することに成功した。この結果から、少なくとも水溶性タンパク質についてはパターン化基板上での濃縮が可能であることが示された。今後は、膜結合型タンパク質を用いた検討を進める予定である。
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