2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651062
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大平 文和 Kagawa University, 工学部, 教授 (80325315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮西 伸光 香川大学, 総合生命科学研究センター, 客員准教授 (80372720)
嶋本 聖子 香川大学, 微細構造デバイス統合研究センター, 研究員 (40448353)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / ナノバイオ / デバイス設計・製造プロセス / モニタリング / センサー / 表面プラズモン |
Research Abstract |
21年度は原理検証のため、まずそれぞれのバイオ物質に適した微細構造の設計と製作条件の把握を行った。微細構造の寸法として、対象物質である酵母などの寸法を考慮して、数ミクロン程度の幅と寸法とした。 微細構造の製作に当たっては、有機レジスト材料のSU-8を用いることとした。これにより、厚さ数ミクロンか可能で、かつ紫外線露光のみによる簡易なプロセスで構造を形成できる特徴がある。この寸法形状を実現するために、マスク設計を行うとともに、紫外線露光のパラメータを変えて適正な紫外線露光条件を把握し、再現性に良い形状形成を可能とした。 本チップを用いて、細胞の様態変化の状態の検出に適用した。具体的には、酵母細胞を用いて、細胞の変化の様態に応じて出る分泌物の検出を試みた。ここでは、酵母細胞の寸法が約10ミクロンであることを考慮して、チップの金膜上に、幅3~4ミクロン、高さ4ミクロン程度の凹凸形状を形成した。このチップ上に溶液の酵母細胞を滴下し、時間経過によって細胞の死滅等に伴って出る分泌物に起因するSPR共鳴角の変化を測定した。その結果、細胞の死滅等によりでる物質の影響で、SPR共鳴角が大きく変化することが明らかになった。また、血液の凝固による様態変化の測定のための材料やセンサーチップの準備を進めた。 酵母細胞の様態変化の測定結果より、筆者が提案した凹凸形状形成チップにより、生細胞の様態変化を測定出来ることを示し、本技術が所期の測定に適用できる可能性を示した。
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