2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651073
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
道用 大介 神奈川大学, 経営学部・国際経営学科, 助教 (50445178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安瀬 美知子 青山学院大学, 理工学部・経営システム工学科, 助手 (00082850)
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Keywords | 技能伝承 / 訓練システム |
Research Abstract |
近年、日本では人口の高齢化が進んでいる。この影響は、製造業にも及んでおり、2007年には日本の高度成長期を支えた団塊世代の多くの熟練技能者の退職がはじまった。そのため、多くの製造業が熟練技能者の技能をどのように企業に残していくかという「技能伝承」の問題に直面している。改正高年齢者雇用安定法が施行されたことによって、企業は雇用期間の延長や、他企業の退職者の獲得によって熟練技能の流出を一時的に防いでいるが、このような対処方法は根本的な解決にはなっておらず、本質的な技能伝承対策が必要となっている。作業というものは「知覚を使って動的に判断しながら遂行していくもの」であり、感覚運動系の作業において、作業の良し悪しは、良い製品を作る感覚(以後、成功感覚とよぶ)を知り、成功感覚を記憶し、再現できるかどうかで決まると考えられる。よって、技能伝承の根本的なアプローチとしては、良い製品を作る時に生じる成功感覚を効果的に記憶し再現できるように訓練する必要がある。本研究では感覚運動系技能を対象として、成功感覚を効果的に記憶・再現できる訓練方法を開発することを目的としたものである。本年度は(1)対象の刺激を覚える(記憶)(2)刺激を再現する(再現)(3)対象の刺激と再現した刺激がどれほどズレているかを判定するという刺激再現システムを開発し、そのシステムを使って事前に覚えた刺激をどれほど正確に再現できるかの実験を行った。この結果、力の制御に関してはパワースケールという尺度を用いて、各個人の訓練の難しい点を見つけることに成功し、また、力の制御の挙動を分析することで各個人が独自に持つ基準値をもとに制御するという訓練設計の指針となる知見を得た。
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Research Products
(1 results)