2009 Fiscal Year Annual Research Report
非翻訳性RNAの核内発現ドメインとモノアレル遺伝子発現調節機構に関する研究
Project/Area Number |
21651084
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阿部 訓也 The Institute of Physical and Chemical Research, 動物変異動態解析技術開発チーム, チームリーダー (40240915)
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Keywords | 非翻訳性RNA / ゲノム刷込み / X染色体不活性化 / 片アレル性発現 / エピジェネティクス / EG細胞 |
Research Abstract |
非翻訳性RNA(ncRNA)には様々なタイプが知られているが、その作用機構が詳しく調べられているマイクロRNA等に比べ、cisに働いて近傍の遺伝子の発現を抑制する比較的大きなサイズのncRNA(Large-ncRNA=L-ncRNA)の作用機序は殆ど未知である。L-ncRNAは、ゲノム刷り込みやX染色体不活性化等の片アレル発現の制御に関与すると考えられている。本研究では、L-ncRNAの細胞分化過程での発現様式や細胞核内での転写パターンの特徴を追究し、その知見を元にL-ncRNAによる遺伝子発現抑制の作用機序を解明することを目的とする。L-ncRNAは、遺伝子座の両DNA鎖から転写されることが多いが、通常の発現解析手法では、それらを区別して検出することが困難であった。そこで、同一細胞で、strand-specificに転写産物を検出する技術の開発を行った。この手法を用いて、代表的なL-ncRNAであるXistとそのアンチセンスRNAであるTsix、Igf2rとAir、Kcnq1とKcnq1ot1それぞれを識別し解析することに成功し、ES細胞分化過程におけるそれぞれのL-ncRNAの発現様式の解析を進めた。 EG細胞は、始原生殖細胞(PGC)から樹立される多能性幹細胞である。PGCではゲノム刷り込みの消去が起きるが、そこから派生するEG細胞でも刷り込みが消去されていると予想される。そこで、ESとEG細胞の比較により、L-ncRNA発現様式とゲノム刷り込みの因果関係を調べることを目的として、EG細胞の刷り込み状態を調べたところ、分化したEG細胞では、確かに両アレルからIgf2rが発現していた。したがって、ESとEG細胞はよく似通った細胞形質を持つが,インプリンティングに関するエピジェネティック制御にのみ差異があることが示唆された。
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Research Products
(7 results)