2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク翻訳後ノックアウト法:標的タンパク質を特異的に分解するハイブリッド小分子
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21651092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Keywords | CRABPD / レチノイン酸 / ユビキチン / プロテアソーム / ベスタチン / タンパク質分解 / cIAP1 / プロテインノックダウン |
Research Abstract |
ヒト生細胞内において、特定のタンパク質を,本来細胞が具備している「cIAP等の自己ユビキチン化活性を有するタンパク質」と、「プロテアソームによるユビキチン化タンパク質の分解」を利用して特異的に分解消滅させる手法を確立することを目的とした研究を展開した。本年度は、標的とするタンパク質として細胞内レチノイン酸結合タンパクCRABPを設定し、本タンパクに対して特異的結合活性を有するレチノイン酸と、cIAPに対して特異的結合活性を有するメチルベスタチンとのハイブリッド分子を設計して合成し、その活性を評価した。 その結果、 (1)創製したハイブリッド小分子が、生細胞内において特異的かつ濃度依存的にCRABPを消失させること、 (2)当該CRABPの消失に、cIAP-1/CRABP/ハイブリッド小分子からなる非生理的な3者複合体の生成が関わっていること、 (3)当該CRABPの消失に、ユビキチン化ならびにプロテアソームの関与が必須であること、 等を明確に示すことができ、当初の年度計画を達成した。加えて、 (1)CRABP分解誘導活性を有するハイブリッド小分子に関するある程度の構造活性相関情報を取得すること、 (2)CRABPがその増殖に関わっているとされる神経芽腫細胞に対して、創製したハイブリッド小分子が増殖・遊走阻害活性を持つことを明確にし、当該小分子ハイブリッドが細胞レベルでのCRABPの機能解析に有用なツールであることを実証すること、 ができた。
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Research Products
(4 results)