2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体情報分子の細胞内局所的ノックダウンプローブの創製
Project/Area Number |
21651093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 守俊 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00323501)
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Keywords | ケミカルバイオロジー / 細胞内シグナル伝達 / プローブ / 脂質メッセンジャー / キナーゼ / ノツクダウン / 細胞機能 / 時空間動態 |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質などの脂質メッセンジャーや一連のキナーゼのそれぞれがどのような細胞機能を制御に関わっているのか,そのような生体情報分子の機能解析を目的として,薬理学的手法や関連遺伝子に対するRNA干渉法(RNAi)が用いられている.既存の研究手法としての薬理学的手法やRNA干渉法は,対象となる脂質メッセンジャーの産生酵素やキナーゼを細胞内全体で機能阻害(global knockdown)することになる.従って,細胞内の様々な場所で生成(もしくは活性化)する生体情報分子の機能を,それら既存法に基づいて探索することは極めて困難である.本研究においては,細胞内の任意の特定局所においてのみ生体情報分子(本申請研究では脂質メッセンジャーであるPI(3,4,5)P3とキナーゼのAkt)の生成もしくは活性を特異的に抑制(spatial knockdown)する新しい分子プローブ"局所的ノックダウンプローブ"を設計・開発し,これを用いて当該生体情報分子による細胞機能の空間制御に迫る. 平成22年度においては,平成21年度までに作製し基礎的な評価を行ったPI(3,4,5)P3の局所的ノックダウンプローブを用いて,細胞増殖,細胞死(アポトーシス),細胞接着などの細胞機能が,細胞膜や小胞体膜,ミトコンドリア膜に生成したPI(3,4,5)P3によって如何にして制御されているのか明らかにした.さらに,タンパク質リン酸化酵素のAktについても局所的ノックダウンプローブを開発し,培養細胞での基礎的評価を終えた.
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