2011 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ移民後の東欧系ユダヤ人の音楽(クレズマー)に関する文化史的研究
Project/Area Number |
21652021
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
黒田 晴之 松山大学, 経済学部, 教授 (80320109)
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Keywords | クレズマー / イディッシュ文化 / ユダヤ人移民 / 同化 / ポピュラー音楽 / ミッキー・カッツ / 日本の戦後音楽 |
Research Abstract |
【具体的内容】 (1)単著『クレズマーの文化史東欧からアメリカに渡ったユダヤの音楽』(人文書院)を2011年6月に刊行した。 (2)研究報告を3回行なった。 2011年10月15日「パウル・ツェラーン『死のフーガ』再読あらたな読みを模索するための予備作業」日本独文学会(金沢大学)では、ツェラーンの詩に描かれた音楽を特定するための提案を行なった。 2011年11月27日「民魂の音を聴く東欧ユダヤ民族音楽〈クレズマー〉と現代世界」阪大グローバルCOEプログラムその他による共催(大阪大学)において、音楽評論家の平井玄氏、チンドンからクレズマーまでを弾きこなすクラリネット奏者の大熊ワタル氏、『中東欧音楽の回路』の伊東信宏氏(大阪大学)とともに、一般市民向けにクレズマーの魅力を語らった。 2011年12月12日「東欧ユダヤの音楽クレズマー異種との接触の合間で」北海道大学グローバルCOEプログラム(北海道大学スラブ研究センター)では、クレズマーの全般的な概説を行ない、当センター研究員の左近幸村氏とのクロストークも盛り込んだ。 これら以外に神戸・ユダヤ文化研究会のワークショップ(5月)にコメンテイターとして参加し、中央大学人文研「ディアスポラ・ユダヤ研究」チームでも前記単著に関する出版報告(7月)をした。 なお9月および1月には、ハンブルク、ベルリーン、ライプチッヒで、最新の資料も収集したことを付記しておく。 【意義・重要性】 (1)は本研究課題の総決算であり、「ラティーナ」「ミュージックマガジン」「ジャズ批評」「みるとす」等で書評に取り上げられ、「東京新聞」「ふえみん」「週刊読書人(年末回顧総特集号)」でも紹介された(現段階で書評を予定している学会・研究会がある)。MHK-FM「ワールドミュージックタイム」(9月19日)でも番組内に触れられ、朝日新聞でも本書を参考にした記事が予定されている。以上をもって本研究は十分に意義と重要性があったと判断する。
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