2010 Fiscal Year Annual Research Report
「福祉言語学」の創成・確立に資する研究モデルの探索
Project/Area Number |
21652045
|
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
相澤 正夫 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 教授 (80167767)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 牧郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (90217076)
金 愛蘭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, プロジェクト非常勤研究員 (90466227)
|
Keywords | 言語学 / 日本語学 / 言語生活 / 社会言語学 / 福祉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語の抱える現実の問題を見据えた総合的かつ実践的な研究領域として、従来の言語学の枠組みを超えたところに、「福祉言語学」という新たな領域を創成・確立することにある。そのため、具体的には次の(1)(2)のそれぞれについて実施した。 (1)「福祉言語学」とはどういうものか、学術研究としての性格や位置付けを明確化すること。 前年度に引き続き、工学系で行われている「社会技術研究」についての文献調査、及び海外の関連文献調査等を行い、この領域の見取り図の作成に着手した。 (2)研究代表者をはじめとする研究グループが既に実施した具体的な研究事例(「外来語」言い換え提案(平成14~18年)、「病院の言葉」を分かりやすくする提案(平成18~21年))の評価・検討を通して、「福祉言語学」のモデルとなる具体的な研究像を探索すること。 次の(1)(2)(3)のサブテーマについて、分担に従って研究等を進め、成果の一部を公表した。 (1)〈実態把握〉から〈問題解決〉までの一貫した記述については、前年度に執筆済みの雑誌論文2編を公刊した。また、新たに、法廷における難解用語、難解な医療用語を対象として雑誌論文3編を執筆・公刊した。 (2)〈実態把握〉のための語彙論的記述については、前年度に引き続き、既に作成済みの「医療コーパス」を用いて難解語(専門用語や外来語)の構造の記述を進めた。 (3)アンケート調査の企画・実施については、予定していた全国自治体への経年アンケート調査が、その後の市町村合併など社会状況の変化により予想以上に困難であることが判明したため、本研究での実施を見送ることとした。
|
Research Products
(5 results)