2011 Fiscal Year Annual Research Report
携帯ゲーム端末による「生活者としての外国人」のための自律学習型日本語教材の開発
Project/Area Number |
21652047
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 国際理解教育研究センター, 准教授 (10333767)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 潤 金城学院大学, 文学部, 講師 (70361053)
|
Keywords | 日本語教育 / 教材開発 / 自律学習 / 教育工学 / 教育メディア / 携帯端末 |
Research Abstract |
日本に在留する外国人登録者は220万人を超え、外国人配偶者や日系人労働者などが増加し、定住化が進んでいる。こうした「生活者としての外国人」は、安定した生活を営むための手段として、日本語力の必要性を感じ、学びたいという意欲を持っている。しかし、様々な制約があり、日本語を学ぶ機会がない人も多い。そこで、誰もがいつでもどこでも日本語が携帯電話で学べるように、日本社会で自立するのに必要な読み書き能力の基礎である「文字学習」を支援するツールの開発を行ってきた。 H23年度は、H22年度までに開発したアンドロイドを搭載したスマートフォン(携帯端末)による文字学習支援ツールの充実及び改善を行った。一つは、「手書き入力機能」である。学習者が手書きで入力した文字が、正しく書けているのかどうかを判定するシステムに課題があったため、精度を上げた。これにより、以前よりも正しく判定される確率が高まった。もう一つは、「単語の充実」である。昨年度までのものは、試作の段階であったため、学習者が遭遇するだろうと思われる単語を10個のみシステムに搭載し、ツールの作成を行ってきた。今年度は、外国人就労者が多数住む愛知県のe-learningシステムで利用されている単語リストの利用が許可された。そこで、これまでに作成してきた単語リストと許可を得た単語リストから、ひらがな及びカタカナの単語を選定、システムに搭載した。単語には英語及びポルトガル語での訳語も用意した。 開発当初よりも、スマートフォンが普及し、「生活者としての外国人」にも本教材を利用してもらえる環境が整ってきたといえる。本教材をアンドロイドマーケットに登録し、利用してもらえるように実用化の準備を進めている。課題は、ネットワーク機能の追加と学習履歴の管理、少ない単語で多くの文字が学べるシステムの構築であり、現在、改善を進めている。
|