2011 Fiscal Year Annual Research Report
惣構の理論的・実践的検討-近世城下町像の再構築と「町づくり」への活用
Project/Area Number |
21652061
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仁木 宏 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90222182)
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Keywords | 城下町 / 惣構 / 町づくり / 金沢 / 小田原 / 岐阜 / 会津若松 / 中津 |
Research Abstract |
研究協力者として、内堀信雄氏(岐阜市教育委員会)、向井裕知氏(金沢市教育委員会)、佐々木健策氏(小田原市教育委員会)に参加いただいた。 惣構シンポ@金沢「惣構を活用した町づくりの未来をさぐる」を、2月18~19日、金沢市において開催した。18日は、せせらぎ通り、尾山神社周辺、宮内橋付近、枯木橋付近、緑水苑など、金沢市が惣構跡を保存・活用している事例を検証するため、見学会を催した。約40名の参加を得た。 19日には、近藤真佐夫(会津若松市教育委員会)「若松城惣構の歴史と現状・課題」、佐々木健策「小田原城総構-歴史・活用・未来-」、向井裕知「金沢城惣構の構築史と保護・活用政策の歩み」、大家弘聡「金沢城惣構の復元整備と歴史遺産を活用した町づくり」、内堀信雄「岐阜城惣構の過去と現在」、高崎章子(中津市教育委員会)「中津城惣構の現状と活用への課題」の報告を得、仁木が総括的な報告「惣構(総構え)の歴史とまちづくりへの活用」をおこなった。約120名の参加者があった。 仁木報告では、城郭はまちのシンボル、市民の憩いの場となっていたとしても、現代の巨大な都市のなかでは「点」にすぎない。それに対して、惣構は、城下町の外側(外寄り)に「線」になってつづいており、これを利用することで観光の回遊ルートが生まれる。また惣構の内側が城下町であるという認識が明確になることから、「点」→「線」→「面」の効果が期待できる。また住民一般に城下町の意識が深まり、自らを「市民」であるとする認識が高まるであろうことが想定される、と述べた。 惣構データベースについては、近世の城下町絵図、近代の地形図などを整理し、どのようにまとめるのか検討した。
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