2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21652070
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 裕哉 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30452626)
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Keywords | 地理情報システム / 広島原爆 / ラスターデータ / ベクターデータ |
Research Abstract |
平成21年度は,1)ベクターデータ化する地図資料の検討,2)検討した紙地図のラスターデータ化,3)2)のベクター変換,4)データベース内の被爆地点住所のコード化,を進めた。1)については,データ量と精度,相互の年代の近さなどを考慮し「広島市都市計画図」(1925~1928年作成,縮尺2500分の1)<建物ポリゴン作成用>,「広島市戦前戸別詳細図」(1930年ころ作成,縮尺約1200分の1)<地番データ入力用>,「原爆被災全体像調査戸別復元地図」(1969年作成,縮尺不明)<アンケート調査により被爆直前の街並みを再現したもの:世帯主名など属性データ入力用>,「米軍撮影広島市空中写真」(1945年7月撮影)<「広島市都市計画図」の幾何補正と建物の形状把握用>を用いることにした。2)および3)に関しては,ラスターデータ化した地図を幾何補正し,GISを用いて爆心地を中心に40, 541軒分の家屋ポリゴンと,当時の鉄道線,市内電車線,河岸線(ラインデータ)を作成した。4)に関しては,「町名(3桁)+官・甲・乙などの漢字(1桁)+地番(3桁)+枝番(2桁)」の9桁でコード化することにした。作業の過程で以下の点が課題として明らかとなった。1.用いた地図資料に若干の年代の差があるため,建物ポリゴンに属性を入力する際に建物の特定が困難な場合がある。2.複数の建物に同一の地番が割り当てられていることがあり,うまくマッチングできない場合がある。来年度は,ポリゴン化する地域の拡大と属性データの追加入力を進めつつ,上記の課題について改善を図りたい。
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