2010 Fiscal Year Annual Research Report
魚霊供養からみる海洋資源の利用と変化ー魚霊供養碑データベースの構築
Project/Area Number |
21652072
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田口 理恵 東海大学, 海洋学部, 准教授 (70390713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 登 東海大学, 海洋学部, 教授 (70349330)
関 いずみ 東海大学, 海洋学部, 准教授 (20554413)
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Keywords | 魚霊供養 / データベース / 生命観、自然観 / 文化人類学 / 水産資源 / 漁業と信仰 / 海洋教育 |
Research Abstract |
本研究は、魚類を祀った供養碑というモノを手がかりに、日本における水産資源と人間との関わりや、自然観、生命観を見直そうとするものである。魚霊供養碑の全国分布を把握しつつ、建立の背景等を検討することで、水産資源の利用に見る地域的な特徴とともに、自然観・生命観の変容を明らかにすることができると考えており、そのための手段として供養碑データベースの構築を目指した調査を進めてきた。 本年度は、文献研究、アンケート調査、現地調査を組み合わせつつ供養碑情報を集め、基礎データの作成を進めてきた。アンケート調査では、2010年2月末に送付したものもあわせると、全国の海水面漁協、内水面漁協および水産試験場など2141関係団体にアンケート用紙を送っており、2010年9月末までに893件の回答を得ている。こうした作業の結果、先行研究では断片的に紹介されるだけだった魚類を祀った碑が、国内各地に1100基以上も存在すること、そして、供養碑建立はむしろ近代になってより盛んになったということが明らかになった。 基礎データを精緻化するために現地調査を行ってきたが、本年度は、福井県から能登半島までの北陸沿岸部、愛媛県伊予灘沿岸部、三重県沿岸部にて、碑の所在確認や聞き取り調査を行った。また、人間文化研究機構・連携研究などの関連テーマの研究プロジェクトと連携・共同して、秋田市から男鹿半島沿岸までの秋田県調査や山口県北浦周辺の調査や研究会なども実施している。 また、課題や論点をより明確にするために、段階的に調査成果をまとめ雑誌論文や学会で発表する他、第12回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーでのパネル展示(2010年7月21~23日)や「お魚供養写真展」(於東海大学海洋学部、2010年11月1~3日)を実施するなど、研究成果の社会発信にも積極的に取り組んできた。
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Research Products
(3 results)