2012 Fiscal Year Annual Research Report
物品流通関係当事者についての法とその他の行動調整メカニズム
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21653006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 真希子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (50302641)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 運送法 |
Research Abstract |
本研究との関連で、本年度は予定外の大きな動きがあった。法務省が、商法の運送法制の改正の検討の資料とするために、我が国の運送取引の実態について幅広く調査を実施することとし、本年度途中に調査責任者としてこの調査の委託を受け、実施した。この実態 調査は本研究とは別の調査であり、また、他の研究者とともに共同で行った実態調査であるが、依頼された調査内容は本研究の内容と大きく重複するものであり、本研究と密接不可分のものとなった。本研究としては、この実態調査から、例えば物流取引の当事者間における契約の意義や契約外の紛争解決など、本研究の前提となる多くの知見を得た。本研究は、このほか、物流関係当事者間のリスク負担に保険(特に運送者責任賠償保険)がどのような役割を果たしているかなどについて、調査を実施した。また、わが国の取引実務の理解を補充するためにイギリス法を中心とした文献調査を行った。 実態調査の方法論については、本研究の一環として、Robert K. Yinの提唱するケース・スタディの手法に着目することとし、方法論的な分析を行った。この調査手法は、単なる「事例研究」を指すのではなく、一連の手続が予定されたひとつの調査手法であって、質的調査を実施するにあたって生じるさまざまな問題に事前に対処できるように工夫されたものである。上記の実態調査は、本研究で得た知見を実際に適用する絶好の機会となった。対象とする運送取引が複雑多岐にわたることや、調査したい内容が取引実務の詳細に関することであることから、上記実態調査においてYinの方法論の適用したのは概ね成功だったといえるが、現実的な制約も認識することができた。本研究としては、このような実際の利用の経験に基づき、Yinの方法論の意義と限界について、分析・検討を行った。中でも、調査結果の一般化に関する問題については、多くの知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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