2010 Fiscal Year Annual Research Report
企業家精神の国際比較:構造方程式モデルによる経済発展プロセスの定量的解明
Project/Area Number |
21653024
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
小井川 広志 長崎県立大学, 長崎県立大学国際情報学部, 教授 (50247615)
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Keywords | 企業家精神 / 構造方程式モデル / 経済発展 / 東アジア / 地場サプライヤー / 多国籍企業 / 産業リンケージ / Entrepreneurial Process |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、インタビュー、およびアンケート調査を行うための現地調査を中心的活動としていたが、平成22年度はその研究計画が大きく変更された。日本学術振興会が実施する優秀若手研究者海外派遣事業(以下、派遣事業と略述)に採択され、平成22年度の研究期間の大部分を、英国Oxford大学にて遂行することになったためである。その結果、予定していた第二ラウンドの現地調査の実施は不可能となり(上記派遣事業は、原則として派遣先国での研究に専念することが規定され、第三国での調査・研究は認められていない)、代わりに、派遣先のOxford大学にて、これまでの研究成果のとりまとめと今後の研究方法の精緻化の作業に専念することとなった。 研究プロジェクト初年度に5回にわたって実施した現地調査の結果、多国籍企業10社、地場企業44社のインタビュー結果が手元にあり、今年度は主にこれらの整理と分析・解釈、ならびに成果の公表に向けたアウトプット作業を行った。SEM分析による定量分析を行うにはサンプル数が不十分であるために、未だ行っていない。Oxfordでは、企業家とのインタビュー調査に基づく定性的分析に専念し、その結果、mimeoながら、英文にて8万字以上のドラフトを脱稿している。そこでは、潜在的企業家が、技能を蓄積しつつビジネス・アイデアの着想に至り、資金調達、チーム組織化などの段階を経て、多国籍企業のサプライヤーと成長・発展する課程を、Entrepreneurial Process Approachに基づき描写した。ドラフトの作成には、Oxford大学における共同研究者、Adrian Wood教授からの示唆も大いに活かされている。かかる成果を基に、完成年度にあたる平成23年度には、企業家発展プロセス・モデルの定式化を目指していきたい。
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