2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウェブ2.0時代のITツールが新製品開発に与える影響に関する国際比較研究
Project/Area Number |
21653032
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
川上 智子 関西大学, 商学部, 教授 (10330169)
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Keywords | 新製品開発 / IT / 市場成果 / 国際比較 / 開発フェーズ / 日本企業 / 実証研究 |
Research Abstract |
本研究課題では、新製品開発に用いるITツールをコミュニケーションおよび協働のためのツール、情報・知識管理ツール、市場調査・分析ツールの3つに分類したである。そして、これらのITツールが新製品開発に与える影響を発見段階・開発段階・市場化段階というフェーズ毎に詳細に検討してきた。 本研究期間の最終年度である平成23(2011)年度には,平成22(2010)年度に実施した、日本企業を対象とした質問票調査のデータを基に実証研究を行い、平成23(2011)年6月にオランダ(デルフト)で開催されたInternational Product Development Management Conference 2011(IPDMC2011)で論文を報告した。さらに震災でいったん中断されていたフォローアップ調査を再開し、追加されたデータを分析して新たな論文を執筆した。この論文はIPCMD2012に採択され、平成24年(2012)年6月にイギリス(マンチェスター)で報告予定である。 平成23(2011)年11月には、Journal of Product Innovation Managementで日本企業を対象とした事例研究論文が刊行された。現在展開中の実証研究は、この事例研究論文で提示した概念モデルに依拠するものであり、本研究期間の初年度に行った定性的研究がその後の研究の方向性を決定づけたと言える。 ICTの技術が急速に進歩する一方で、それを新製品開発にどのように活用するかに関する研究は、本研究課題の成果が当該分野のトップジャーナルに掲載されたことに鑑みても、未だ端緒についたばかりである。とりわけ、欧米を中心とした実証研究は散見されるものの、日本およびアジアに関する研究は、本論文が世界初の成果であった。この点において、本研究課題が関連研究分野に与えた貢献は大きいと思われる。
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Research Products
(9 results)