2009 Fiscal Year Annual Research Report
常態向上型サービスにおける"育てる消費"促進のマーケティング戦略に関する研究
Project/Area Number |
21653034
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
藤村 和宏 Kagawa University, 経済学部, 教授 (60229036)
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Keywords | 伝統芸能 / 歌舞伎 / 人形浄瑠璃 / マーケティング |
Research Abstract |
平成21年度は、歌舞伎と人形浄瑠璃の歴史と現状について文献レビューを行なうとともに、これらにかかわる関係者に対するヒアリング調査を実施した。その結果、歌舞伎は、それぞれの役者が歌舞伎だけでなく、様々なかたち(CMやドラマなど)でメデイアに露出することを通じてファンづくりを行い、これが歌舞伎の市場拡大につながっていることが明らかになった。したがって沢山のファンを持つ役者が多く存在する時代には市場が拡大し、少ない時代には市場は縮小するというような変動が生じていることや、役者の成長とともにファンも育つが、高齢化していることが明らかになった。 人形浄瑠璃については、徳島県が伝統文化を活用した地域活性化の一つとして、県内に点在する芝居小屋で阿波人形浄浄瑠璃を上演するというフェアを平成21年度に行なったことから、これらを観劇するとともに、関係者にヒアリング調査を実施した。阿波人形浄瑠璃は地元の保存会やプロによって行われ、またロックや能などとのコラボレーションも行われた。これによって、後継者の育成とともに、市場拡大が試みられていた。本研究では、劇場型エンターテイメントの市場拡大には、そのパフォーマンスを向上させるだけでなく、それに対する関心や鑑賞眼(知識)を顧客の中に育てる必要があると考えているが、人浄浄瑠璃ではパフォーマンス(技術)の向上こそがファンを増やすことにつながるという意識が強いことが明らかになった。この歌舞伎と人形浄瑠璃におけるファンづくりに対する考え方の違いが市場規模(人気)の違い生みだしていることが明らかになった。また、コラボレーションによって新たなパフォーマンス形態を作り出し、新たなファンをつくる試みも行われていることから、この試みの有効性を検証するための調査準備を現在行っている。
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