2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境管理会計によるサプライチェーンマネジメントの研究-組織間関係と統合的評価-
Project/Area Number |
21653036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
淺田 孝幸 Osaka University, 経済学研究科, 教授 (10143132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 優 同志社大学, 商学部, 教授 (40217683)
金井 一頼 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (50142831)
山根 里香 東京理科大学, 理工学部, 助教 (60530110)
三浦 徹志 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 教授 (30300271)
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Keywords | 環境対応 / 廃棄物再資源化 / 環境管理会計 / 戦略的マネジメントコントロール |
Research Abstract |
本年度は、日本企業のなかで、環境経営に比較的早くから取り組んでいる、日本電気と富士通を中心に、環境品質・コストについての取組と具体的なリバースサプライチェーンについて、一社での取組を調査した。具体的には、自社のパーソナルコンピューターの廃棄されたものの回収・解体・分別・資源化を取り組んでいる会社であり、100%、パソコン製造会社の子会社である。この例で知見として得たのは、リバースサプライチェーンの最終的なねらいは、完全リサイクルであり、それには、資源化のためのコストが高いことと、資源化による市場が十分に整ってないことなどから、現状の技術では、カスケード型のサプライチェーン(SCM)であるとの説明であった。この意味は、リサイクルは、廃棄された製品の一部が、完全リサイクルでなく、当初の投入品以下の材料利用が可能なものしか依然として転用可能でないとの指摘である。また、リバースチェーンの事業活動は、生産事業所と位置づけられないことから、事業所として税務コストの面での有利性を得ないという課題もある。かかる点から、組織横断的な価値移転を促し、リバースチェーンを確立するには、組織間の扶助的な仕組みがないと、全体が廻らないことが、言える。このあたりで、組織間(分社と分社、あるいは、分社と事業部)などのトータルな均衡を維持するシステム作りの必要性が示唆された。また、ある大手のセメント会社では、供給資源レベルでの廃棄物の投入がエネルギー源として利用されることで、環境に優れた、SCMがデザインされている。しかし、これが、普及しない理由がある。これについて、さらに、調査することの意義が明かになった。 理論面では、アンケート調査により、環境配慮型SCMを促す上で、戦略的マネジメントコントロールの仕組みとその場合の条件を検討し、意志決定促進的な情報収集の特質が知見として得られた。
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Research Products
(7 results)