2010 Fiscal Year Annual Research Report
わが国自治体の内部統制構築のための理論とツールの統合的な枠組みの開発
Project/Area Number |
21653037
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
石原 俊彦 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (20223018)
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Keywords | 内部統制 / 業務改善 / VFM / QC / 業務改善実践事例報告会 / 資産の保全 / 財務報告の信頼性 / 意識改革 |
Research Abstract |
平成22年度の研究では、わが国地方自治体における内部統制の整備と運用に関する現状分析を行うとともに、英国バーミンガム大学から招聘したクリス・ゲイム名誉上級講師からの情報提供や意見交換・討議を通じて、英国地方自治体における内部統制や地方政府制度の実情を詳細に分析した。企業経営における内部統制のフレームワークは、財務報告の信頼性を中心として展開されているが、地方自治体におけるフレームワークは、業務の有効性と効率性の担保を主目的としたものでなければならない。この点は本研究で解明された非常に重要な視点である。本研究では、地方自治体における内部統制のフレームワークを、業務の有効性と効率性の実現を企図する業務改善の視点で整理しようと試みている。幸い、日本全国の多くの自治体では、業務改善やその実践事例報告会が定期的に開催されており、本研究活動でもこうした実情について詳細にヒアリング等を通じて調査を行った。今年度の研究成果としては、今後(平成23年度)作成予定の図書『地方自治体業務改善』(仮称)のなかで、本研究における調査研究を通じて得られた情報等に基づいた記述を行い、同図書に本研究の成果を一部包括する予定である。なお、本研究では、こうした日本での状況を、英国の現状と対比することで、より一般的な自治体内部統制のフレームワーク構築を企図している。イギリスから招聘したゲイム講師との研究交流を通じて、英国自治体の内部統制を外部監査、内部監査、ガバナンス、財務管理、財務報告、業務改善などの視点から分析を行った。日本とイギリスの地方自治体に関する制度的、歴史的な相違は大きく、両者の比較から、容易に地方自治体内部統制のフレームワーク構築に関する一般的な枠組みを展開することはできないが、ひきつづき、業務改善の視点で、自治体内部統制のあり方を統合的に集約できるように研究を推進する予定である。
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