2009 Fiscal Year Annual Research Report
GPSを利用した親子の行動域の変化に関する生態学的研究
Project/Area Number |
21653068
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小島 康生 Chukyo University, 心理学部, 准教授 (40322169)
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Keywords | 子育て / 日誌 / GPS / 生態学的視点 / 縦断研究 / モノ / 環境 |
Research Abstract |
名古屋市内にあるA産婦人科の協力のもと、当科で出産を予定していた初妊婦の女性に対し、研究の趣旨や手続き等を記載した案内を配布し、7名から協力の申し出を得た。その後、この7名に対し、出産以降、子育てのために買った(あるいは、もらった、借りた)モノ、子どもと一緒に外出した場合の外出先と移動手段、同伴者、子どもを置いて自分だけが外出した場合の子どもの預け相手と外出時間、自宅への来訪者などについて、所定の用紙に毎日記録をつけてもらうよう依頼し、1ヶ月ごとの家庭訪問の際にそこに記された内容についての詳細をインタビューするという手続きでデータを収集してきた。 また、協力者のうち1名には、GPS機能付きの携帯電話を出産後毎月、連続5日間携行してもらうよう依頼し、その間の日中の行動域の測定を行った。 データの分析はまだ十分に進んでいないが、現時点で出産から半年程度が経過し、出産直後に比べて同伴者無しで母子だけでの外出が増えたこと、行動範囲が広がっていることなどが確認され、このデータに関しては、今年9月の日本心理学会第74回大会で成果報告を行う予定である。 これまでにも、子育てを通じての親の心理や育児感情の変化、あるいは観察法を用いた家族相互作用の変化など、多くの研究の蓄積があるが、本研究のような生態学的な視点を導入した個別、具体的な縦断データは過去に例がなく、発達心理学、家族心理学の分野において貴重なデータが提示できるものと考えている。
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