2010 Fiscal Year Annual Research Report
「親になること」の今日的意義の再検討と青年期のための次世代教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21653086
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
後藤 さゆり 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (40406286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 さつき 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (20369515)
大森 昭生 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (20289812)
呉 宣児 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (90363308)
奥田 雄一郎 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (30458442)
前田 由美子 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 研究員 (60537273)
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Keywords | 親になること / 次世代教育 / 青年期 / ケア教育 / 子育て支援 / 家庭教育 / 家族 / 関係性への了解 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は、青年期に「生命」と向き合う、「自己」に出会う、「他者」と共に生きる、という3つの視点から、次世代教育プログラムを開発する必要性と妥当性を明確にすることである。平成22年度の基礎研究を通して以下のことを明らかにした。 (1) インタビュー調査から、特に若者同士の関係性において、平等であることを極度に求めることが、「親になること」の意思決定、意思表明をしにくくさせていることが示唆された。「親になること」の問いは「他者への責任」が衝突する場として立ち現れてくる。 (2) 子どもを「つくる」意識は、他者から分離した自己の現れであり、「自律-自己決定」の主体である。若者において「親になること」は、交換関係と贈与関係の統合が要求されるため、アンビバレントな態度として現れる。 (3) スウェーデンUngdomsmottagningenの調査では、長期的な展望に立った教育と支援の重要性が示唆された。10代に入ったころから、自立に向けた教育と身体的精神的成長の支援を受けることができる。さらに、その子どもが親になっても、同じ場所で同じスタッフの支援が続くことにより、様々な不安を取り除き、有効な支援を受けることができる。 (4) プログラム開発に関連し、群馬県内公民館等226の社会教育施設へ青年期対象プログラムの有無等の調査を実施、110施設の回答を得たが、プログラムを実施している施設は無いことが明らかとなった。 (5) プログラムの開発にあたっては、「親になること」の問いを通して、一方的な自己犠牲に留まらず、他者からの応答性の保証として、自己の「権利」や「平等」と統合されることが必要である。
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Research Products
(2 results)