2011 Fiscal Year Annual Research Report
「親になること」の今日的意義の再検討と青年期のための次世代教育プログラムの開発
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21653086
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
後藤 さゆり 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (40406286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 さつき 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (20369515)
大森 昭生 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (20289812)
呉 宣児 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (90363308)
奥田 雄一郎 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (30458442)
前田 由美子 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 研究員 (60537273)
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Keywords | 親になること / 次世代教育 / 青年期 / ケア教育 / 子育て支援 / 家庭教育 / 家族 / 関係性への了解 |
Research Abstract |
1.大学生の結婚観や「親になること」の調査から、「他者との関係性の了解」について検討した。これまで育った家庭環境を、自己にどう意味づけるかによって、結婚や「親になること」への意識が異なる。特に、親の離婚や夫婦関係の不和などがネガティブな経験として意識された場合は、そのままネガティブな価値を導きやすい。家族の永続性が失われた時代だからこそ、自己の経験を相対化する機会が必要である。また、経済的安定が第一条件であることは、責任を持って育てる意識の表れと同時に、子どもを経済的負担と考え、自己実現や自由への犠牲感情を表している。社会の個人化がどのような形で「親になること」の意識に影響を与えているのか、犠牲意識や贈与意識(ケア)に焦点を当てて考える必要がある。 2.青年期を対象とした次世代教育プログラムの一つとして、映画『アイ・アム・サム』『私は2歳』の視聴から「親になること」を通した「他者との関係性の了解」の学びを全6回で実施し、成果を検討した。映画の「親にあること」を「こと」的世界から捉え直すことで、子どもとの相互関係により親は「親になっていく」ということと、「親になること」が自己と対峙することに他ならないことへの気づきを促し、ワークライフバランスの問題や子育て支援への新たな視点を提供する可能性があることを確認した。 3.青年向け社会教育プログラの状況調査およびスウェーデン調査から、次世代教育プログラムの内容および展開方法について検討した。社会教育では、青年向けプログラムの必要性を認めつつも、緊急性がないことや地域のニーズ実態にそぐわないために実施が難しい。また、青年向けは社会教育ではなく学校教育で実施可能との認識があり、社会全体で青年を支える学びのシステムが機能していない。そこで、「他者との関係性の了解」を学ぶ意味への気づきと、ニーズに即して多様な学びの展開に結びつくような内容と形式でプログラムを構成するブックレットを出版し情報の発信を行うこととした。
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Research Products
(5 results)