2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本的な専門職コンピテンシー抽出と質保証システム構築のための横断的分析
Project/Area Number |
21653089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 鉱市 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40260509)
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Keywords | 専門職 / 質保証 / 研修システム / 実習 / 専門教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)専門職のコンピテンシーの調査・抽出、(2)教育・実習・研修プログラムと国家・大学・専門職団体との連関分析、(3)専門職の「質」保証の東アジアモデルの構築、という3つを分析目的としている。研究の初年度である21年度は、医師、看護師、薬剤師、社会福祉士、法曹などの専門職を対象として、国家・大学・専門職集団という三者の影響力の相互作用を視野に入れつつ、それぞれの養成数決定に関わる政策、制度、法制について編著を刊行した(「専門職養成の日本的構造」玉川大学出版部)。また養成にあたって必要とされる知識・スキル・マインドから成る専門職コンピテンシーの考察のため、専門教育・卒前実習・卒後研修という3つのディメンジョンの「知」あり方(それぞれ「理論知」・「実践知」・「現場知」)とそれぞれの相互関係の議論を深めた。具体的には、専門職養成におけるこれら3種の知は、その養成プログラムにおける「実習」と「研修」に収斂されると想定されるため、各種専門職養成の実習・研修システムについて、その歴史、制度、実態に関する研究を進め、関係論文を発表した。さらに、これまでの専門職養成の制度を大きく転換させることとなった「専門職大学院」について、そこで目指されている理論と実践の架橋という独自のカリキュラムに着目し、専門職市場とのレシバンス、実務家教員の役割、国家資格との関連などについて関係者にインタビューを行ってケーススタディを蓄積し、種々のデータや資料からマクロなトレンドを分析した共著(「航行をはじめた専門職大学院」東信堂)を出版した。
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Research Products
(4 results)