2011 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における教育政策評価の有効性に関する複合的実証研究
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21653091
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
北村 友人 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (30362221)
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Keywords | 教育政策 / 政策評価 / ESD / 開発途上国 |
Research Abstract |
教育政策をはじめとする公共政策の形成や決定の過程において、従来の政策に対する評価を踏まえることが欠かせない。しかしながら、多くの国ではこうした「評価」にもとづく政策形成が十分に行われてきたとは言い難い。とくに、公共セクターの能力が未だに脆弱な開発途上国(以下、途上国)にとっては、教育政策の策定過程における政策評価の活用は困難な課題である。そのため、本研究は、途上国における教育政策評価がどの程度の有効性をもって実施されているのかについて、実証的に明らかにすることを目的として実施してきた。 研究の最終年度である平成23年度は、2年間の研究をまとめるために、論文の執筆やシンポジウム報告等を積極的に行った。とくに、途上国の教育政策評価の基礎となる考え方の整理やジェンダーの観点からの議論を構築するとともに、「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: ESD)」に関する教育政策のあり方についても検討を行った。このESDは、途上国のみならず先進国でも多様な教育活動に取り組むことが目指されているが、いずれの国・社会でも十分に実践が積まれているとはいえない。そのため、本研究ではとくにカンボジアをその事例対象として選定し、途上国の文脈におけるESDの実践とその評価のあり方について検討を加えるとともに、先進国も含めた他の国・社会への応用可能性について考えた。こうしたESD研究への展開は、本研究の社会的意義を高めるという見地から、研究を深めるうえで重要な道筋であったと考えている。
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Research Products
(6 results)