2010 Fiscal Year Annual Research Report
音楽科による感性の育成の真偽性を問う光トポグラフィを用いた生理学的検証
Project/Area Number |
21653097
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
齊藤 忠彦 信州大学, 教育学部, 准教授 (10313818)
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Keywords | 音楽科 / 光トポグラフィ |
Research Abstract |
日立メディコETG4000を用いて,音楽活動時の脳活動を計測した。ETG4000は計48chを同時に計測することができるが,本研究では前頭部22ch,右側頭部12ch,左側頭部12chで測定を行った。ホルダーの装着は,下段のプロープが,国際10-20電極配置法のFpz-T3(T4)-Ozの曲線と並行となるようにした。計測データには,酸素化ヘモグロビン,還元ヘモグロビン,総ヘモグロビンがあるが,本研究では酸素化ヘモグロビンのデータを用いて解析を行うこととした。今年度実施した主な実験内容と結果を記す。 (1) 1曲の音楽鑑賞時の酸素化ヘモグロビンの変化に関わる研究 5分程度の曲を連続して鑑賞させ,曲調の変化に伴う酸素化ヘモグロビンの変化を調べた。その結果,前頭部の前頭前皮質あたりの酸素化ヘモグロビンに特徴的な傾向を見ることができた。 (2) 歌唱時における伴奏の影響に関わる研究 ある楽曲を一人で歌うとき,無伴奏,カラオケ伴奏A(旋律に楽器音),カラオケ伴奏B(旋律に声)という3つの条件を設定し,その条件の違いが脳活動に及ぼす影響について調べた。その結果,カラオケ伴奏B(旋律に声)を使用するとき,前頭部の酸素化ヘモグロビン量が減少するという傾向を見ることができた。 (3) 旋律聴音とリズム聴音の課題遂行時の脳活動の比較に関わる研究 旋律聴音とリズム聴音では脳活動にどのような違いを見ることができるかについて調べた。その結果,前頭部において旋律聴音の方がリズム聴音より酸素化ヘモグロビン量が高くなるという傾向を見ることができた。特に前頭前皮質あたりが深く関与している可能性を指摘することができた。 (4) 映像つきの音楽鑑賞時の特徴に関わる研究 映像つきの音楽鑑賞が脳活動に及ぼす影響について調べたが灘者の個人差が大きく・その傾向の特徴を見ることができなかった。
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Research Products
(2 results)