2011 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な学習を指導する教師のコンピテンシー育成モデルの研究
Project/Area Number |
21653098
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伏木 久始 信州大学, 教育学部, 教授 (00362088)
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Keywords | 総合的な学習 / 教師の指導力量 / コンピテンシー / ワークショップ研修 / 国際Webアンケート調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は,小・中学校における総合的な学習を指導する教師に求められるコンピテンシーを国際的な視野で検討し,その育成モデルをワークショップ研修のスタイルで構想することである。ここでいう「コンピテンシー」とは,「卓越した実践的指導力を峻別する行動レベルの指標」の意味であり,「総合的な学習」のユニークな実践を指導する教師たちへの聞き取り調査をもとに抽出した指導力量をリストアップし,それらの力量を高めるための教育内容・方法を教員研修等の場で試行実践しながら考案していくことをこの3年間に取り組んできた。学校現場における総合的な学習の実情とその指導にあたる教員の意識調査は,既に実施済みだった日本と中国の教員向けの質問紙をWeb上で回答できるように新たに開発したデジタルシートを用いて実施した。本研究ではフィンランドとデンマークの教員を対象に予備的な調査をWebアンケートとして実施したが,英語版の質問シートでは回収率が伸び悩んだため,フィンランド語版とデンマーク語版を新たに作成するとともに,オランダ語版を追加して,日本語・中国語・英語・フィンランド語・デンマーク語・オランダ語の6カ国語バージョンのWebアンケートシステムを同時に構築した。このアンケートシートを各国の研究協力者と協議して作成するプロセスにおいて,各国の総合的な学習に対する実践イメージと教師の役割が異なることを再確認するとともに,総合的な学習を指導する教員のコンピテンシーの測定尺度をあらたに共同開発することで合意した。一方,総合的な学習を指導する教員の力量形成のためのワークショップモデルは,すでに小中学校での研修会等の機会を通じて実践しているが,パッケージ化された方法論のツールを開発するのではなく,各校の事情や教員や学習者のニーズに応じて臨機応変にデザインするワークショップのあり方を提言して本研究は終了した。
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Research Products
(7 results)