2011 Fiscal Year Annual Research Report
発達性読字障害における科学的評価基準作成ならびに教育支援開発
Project/Area Number |
21653109
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞城 知己 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00243345)
野村 純 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30252886)
下山 一郎 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究センター, 教授 (60115483)
|
Keywords | 発達性読字障害 / 文字認知 / 多チャンネル脳波周波数解析法 / 読時反応検査 / DYX1C1遺伝子 |
Research Abstract |
前年度に引き続き新たに診断された発達性読字障害のDYX1C1変異の有無についてスクリーニングを行った。家族発症の症例ではDYX1C1遺伝子異常を多く見出した家系が存在したが、統計的には優位さは認められなかった。現在DYX1C1以外の候補遺伝子を検索中である。今回の結果得られた発達性読宇障害症例を対象に神経生理学的検査を行い、文字認知や音韻処理の脳内病態解明を行った。下山が独自に開発した多チャンネル脳波周波数解析法により、日本語かな、カタカナ、漢字を負荷した場合の脳内賦活部位の検討を行い、賦活される脳内局在の差異を検出できた。読字障害児童や難聴児童での読時における脳内賦活部位も検索し、健常児との違いも明らかにした。今後はこれら文字学習における教育効果判定にリアルタイムでの応用が可能と思われる。 一方、日本語かな、カタカナ、漢字における読時反応時間を小学生高学年から中学生で検討した。特に読時反応時間検査により、アルファベットだけではなく、日本語文字でも小学校から中学校までの間で反応時間短縮が検証された。母国語においても、中学生では文字認知は発達過程であることが判明し、国語を継続的に学習する重要性が再確認された。さらに英語やイタリア語などアルファベットと日本語文字との比較検討を英語圏、イタリア語圏で行い、言語環境での文宇認知の相違を明らかにした。 日本での読字障害児童では、優位に読時反応時間の延長や読字の誤りが優位に多く検出された。我々が障害を迂回する教育的治療法を開発し、個別の文字学習プログラムを実践したところ改善が得られた。現在このプログラムをパソコンにて実施できるシステムを完成したところであり、今後教育学部附属小中学校などでトライアルを予定している。
|
Research Products
(4 results)