2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷崎 俊之 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
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Keywords | 代数解析 / 群論 |
Research Abstract |
まず半無限旗多様体自身をよく知ることが必要であるので,もっとも簡単なs1(2)のアフィン・リー代数に対する半無限旗多様体の場合に,半無限旗多様体の具体的記述を与え,その上の同変直線束や微分作用素環等に関して考察した.一般的な場合に何が成り立つか?何を証明すべきか?等を考える場合の試金石として,今後の研究で非常に重要になるべきものである.これを手がかりに,今後の方針を定めていこうと思うが,もう一つの指針は,表現論的考察からくる.アフィン・リー代数の最高ウェイト加群との関連で考えると,対応するD加群は,正レベルの場合には左加群,負レベルの場合には右加群であった.右D加群は,(有限次元多様体の場合には)最高次の微分形式のなす直線束でDをひねった環上の左加群と思える.我々が考えようとしているのは,正レベルと負レベルの中間の臨界レベルの話なので,微分作用素環は,通常のDを最高次の微分形式のなす直線束の1/2乗でひねったもののようなものであろう.このようなものを実際にどう構成するかが,まず考えるべき重要な問題である.数理物理でも,最高次の微分形式のなす直線束の1/2乗のようなものがときおり現れるが,そういうこととも関係するのかもしれない.これに関して,sl(2)のアフィン・リー代数に対応する半無限旗多様体を用いて,計算を実行してみたが,まだその正体がつかめていない.さらにもう一つの指針としては,先行するカイラル代数の理論との対応をつけることが考えられる.これがある程度できれば,上に述べた問題は解決するのではないかと思われる.
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Research Products
(2 results)