2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654005
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷崎 俊之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
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Keywords | 代数解析 / 群論 |
Research Abstract |
1のベキ根における量子群の表現論の研究は,これまでは1の奇数乗根の場合が中心であった.そのひとつの理由は,正標数での代数群の有理表現の理論との直接的関係の存在であろう.しかし,近年,共形場理論や結び目理論において,1の偶数乗根における量子群の表現論の重要性が認識されつつある.そこで,偶数乗根におけるDe Concini-Kac型量子群の表現の研究を開始した.まずR行列の存在に関して考察し,これに関しては,奇数乗根の場合とほぼ同様の事がそのまま成り立つ事がわかった.続いて,中心の構造の記述に取り組んだ。中心の構造は奇数乗根の場合よりずっと複雑である.はじめに考えるべき事はFrobenius中心と呼ぶべきものをどう定義するかであるが,4n乗根のときと4n+2乗根の場合で,話がちがう.これは,Frobenius型準同型のありようが全然違うことに起因する.しかし例であたってみると,Frobenius型準同型の像と中心の交わりを考えると,4n乗根のときと4n+2乗根の場合で話はそんなに違わないようにみえる.そこで,これをFrobenius中心と呼び,考えやすい4n乗根の場合を先に考える事にした.奇数乗根の場合にはFrobenius中心は,ある代数群の座標環と同型であるが,4n乗根のときはある種の不変式環であり,なめらかではない多様体の座標環と同型になるので,ここに難しさがある.ただし,この場合にもDe Concini-Procesiによる奇数乗根の場合の中心の構造定理と類似のことが成立しているように思われる.Frobenius中心の座標環が完全交差ならば,De Concini-Procesiによる奇数乗根の場合の証明がそのまま通用するのだが,実はそうではない.ただしGorensteinであることは解ったので,これを用いて証明できないか考えているところである.
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Research Products
(2 results)